インタビュー

モンテッソーリ教育を身近に!AMI公認教具GAMJAPANが想いを語る

nakazawayuki

GonzagareddiMontessori社(以下GAM社)は、マリア・モンテッソーリ自身の指示のもと、世界で初めてモンテッソーリマテリアルの教具制作を手掛けたメーカーです。

それから100年以上その理論と歴史を継承し、AMI国際モンテッソーリ協会(以下:AMI)公認の教具メーカーとして世界中のモンテッソーリ園で広く使われています。

今回は、2019年から日本の独占販売代理店となったGAMJAPANのディレクターである吉田氏にインタビューを行い、日本でモンテッソーリ教育をもっと身近に感じてもらいたいという想いについて語っていただきました。

“GAM”(ガム)とは?

ー中澤

さっそくですが、まずはGAM社について教えていただけますか?

ー吉田さん

イタリアにあるGonzagarredi Montessor(ゴンザガレッティ モンテッソーリ)社の頭文字を取って、GAM(ガム)といいます。AMI国際モンテッソーリ協会(以下:AMI)によって承認されている教具メーカー4社のうちの1つで、1925年創業の歴史あるブランドです。

GAMJAPANは、GAM社が制作するモンテッソーリ教具の、日本における販売代理店になります。

20世紀初頭、マリア・モンテッソーリ(以下:モンテッソーリ)がイタリアで最初のこどもの家(1907年:カサ・デ・バンビーニ)を始めたころ、モンテッソーリの理論を支持していた、当時イタリアのゴンザカ地方を支配していたゴンザカ家の伯爵夫人、Maria Maraini Guerrieri Gonzaga(マリア・マライニ・ゲリエリ・ゴンザガ)と共に、地域の子どもの家Casa dei Bambini Carlo Guerrieri Gonzaga(カルログエリエリ・ゴンザガ子どもの家)を立ち上げました。その時モンテッソーリが地元の大工屋に教具の制作を依頼したのが始まりです。

その後、教具の製造のみではなく、保育園、学校、図書館などの家具や空間創りを手がけるようになり、現在イタリアにはGAM社がつくった施設がいくつもあるんですよ。

写真提供元:GAM社資料

ー中澤

とても歴史が深いのですね。

ー吉田さん

そうです。モンテッソーリの教えを100年以上継承しています。

100年以上世界中で支持されている理由

ー中澤

製品の特徴や、こだわりは何ですか?

ー吉田さん

やはり、モンテッソーリが最初に作った教育学や理論に基づいて製品の製造や新製品の開発を行っているので、モンテッソーリの理論が色あせるとなく詰まっているということです。そのことが100年以上たっても世界で支持されている理由だと思います。

新商品の開発や環境づくりは、子どもや教師のニーズを調べて、モンテッソーリの原則に従って専門家のチームによって発案、製造されます。

ー中澤

AMIから教具の認証を受けているんですよね。

ー吉田さん

そうです。AMIの認証を受けるには、とても細かく厳しい審査があります。製造方法や塗料、環境への配慮なども、とても細かく決められています。

どんなメーカーでも日本に輸入される際は、国が定める基準をクリアしているか検査を受けてから国内に入ってくるのですが、GAMの製品はそれよりもっと上の段階の基準をクリアしています。

ー中澤

厳しい基準をクリアしているのですね。

ー吉田さん

今は海外から誰でも簡単に、安く購入できる製品もたくさんありますが、子どもが手に取って使うものは安全であることはもちろん、モンテッソーリの教育学・原則に沿ったものなのか、数学的に設計が正確であるかなど、重要な点がたくさんあります。

その上で、製造過程も地球に優しく環境を考慮されていなければならないのです。

教具販売への想い

モンテッソーリ教育は、限られた子どもだけが受けられる教育ではない。

ー中澤

教具の輸入販売をするにあたって、どのような想いがありますか?

ー吉田さん

今、日本で本物の教具を購入するのは、限られた所しかありません。もしくは、品質が保証できないものも簡単に購入できてしまいます。

GAMJAPANとしては、たくさんの人に「本物の教具」を使ってほしいですし、まずはもっとモンテッソーリ教育を知っていただきたいという想いで販売しています。

本来モンテッソーリ教育は、ごく一部の限られた子どもだけが受けられる教育ではないはずです。どんな環境の子どもにも伝わるものになって、広くモンテッソーリ教育を受けられる子どもが増えてほしいと願っています。

そうなるために弊社としてできることは、モンテッソーリ教育の考えを取り入れた園や、育児が行える環境がもっと増えなければならないので、園や家庭への情報発信をもっとしていきたいと考えています。

ー中澤

輸入を開始してから3年目ですが、その手応えはありますか?

ー吉田さん

そうですね。徐々に、中澤さんのようにモンテッソーリ教育を広めたいという方とのお付き合いや、販売に協力してくれる商社との取引が増えてきました。

モンテッソーリ教育を少しずつでも取り入れたいという園も出てきています。

最初から完璧なモンテッソーリ園ではなくても、まずはモンテッソーリの考えを取り入れて子どもが自立できる環境を整えることから始めてみるのが大切だと思います。昔からしっかり取り入れている先生方からは疑問の声もあると思いますが、少しづつ浸透して、今後日本でモンテッソーリ教育が普及するヒントになれば嬉しいと思っています。

子どもが自信を持って生きていくために

ー中澤

モンテッソーリ教育が子ども達や未来にもたらす影響は大きいですよね。

ー吉田さん

そうですね。子どもの自己肯定感を高め、自信を持って世界で生きていくために、モンテッソーリ教育はとても大事なことを教えてくれる教育です。子どもが自立して活動できるために、適切な環境を作る必要があります。

個人的な意見にもなりますが、日本の今の教育は、きちんと先生の話を聞いて幼児の頃から周りと足並みを揃えなければいけない風潮ですよね。

安心して自分の思いや考えを出せて、言いたいことを言える環境がないと、将来大人になった時に自信を持って世界中の人と対等に自分の意見を述べたり、相手を理解して良い関係性や社会を築いていくことが、困難になでるのはないかと感じます。

モンテッソーリ教育が普及することで、子どもを援助する教師が増え、家庭での理解も広がっていくことが、平和でより良い未来に繋がっていきますよね。

GAMだからできること

ー中澤

教具の販売以外にも、園やご家庭へのサポートをされているのですか?

ー吉田さん

GAM社では、教具の販売の他に、教具や家具の配置など、環境づくりを3Dデザインでお作りして、映像とともにわかりやすく環境を提案するサービスを行っています。(上記画像がその一例)

ー中澤

園に合わせた3Dデザインを作成してくれるのですか?

ー吉田さん

はい。園に合わせて作成します。園内の環境が具体的にイメージできるので、初めての環境づくりや、既存の環境の改善にも役立てることができます。広報や保護者への説明資料などにも使っていただけるので、とてもおすすめです。

また、導入を検討している段階でも園からの質問や要望にお応えできるよう努力しています。

これからも、日本におけるモンテッソーリ教育の普及に協力していきたいです。

ー中澤

それは他ではなかなかないサポートですね。是非多くの方に知っていただき利用してみて欲しいですね。

今後の目標

モンテッソーリの教育学に沿った教具を子どもたちに届ける。』

ー中澤

GAMJAPANの今後の目標を教えてください。

ー吉田さん

目標は、日本でモンテッソーリ教育が普及していくきっかけやヒントをつくり、モンテッソーリの教育学に沿った教具を子どもたちに届ける事です。

数年前、待機児童が増えて問題になった時にたくさんの園ができましたが、今、小規模な園で定員割れが始まっています。少子化の影響もあって、保護者も園の保育方針や教育理念を真剣に選ぶ時代です。選ばれる園になるためにもしっかり子どもの発達や援助を考えて、教育の柱を持っていないといけないですよね。

その中で、モンテッソーリ教育を柱にするために、教具を販売するだけでなく園に寄り添って協力できる立場になれたら嬉しいです。

ー中澤

私も、たくさんの子どもたちにモンテッソーリ教育が届くことを願っています。本日はありがとうございました。

あとがき

今回のインタビューを通して、改めて教具の大切さを考えさせていただきました。

今は、個人でも簡単に海外から玩具を購入できる時代です。「モンテッソーリ」というのがキャッチフレーズのように様々な商品が売られています。手軽な価格の一方で、製品の作りや安全性などに疑問の声もあります。

モンテッソーリ教具は子どもの発達をガイド(援助)するための明確な目的を持ったものです。家庭で教具を使う必要はないと考えますが、子どもたちをガイドするための保育施設や幼稚園などでは、AMIの認証を受けた教具の普及や、教具に関して理解を深めることが非常に重要だと感じます。

また、新規に導入しようと考えている保育施設等では、教具に関するアドバイス以外にも、3Dを使った環境のアドバイスなども参考になるのではないでしょうか。

ぜひ、GAMの伝統的な教具に触れ、GAMJAPANのサポートを体験してみてください!

GAMJAPANの教具紹介はこちら>>>ただいま準備中です。

GAMJAPAN公式サイトはこちら


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中澤有希
中澤有希
株式会社Trecce代表
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