インタビュー

モンテッソーリ教師になった私!勇気を出して開いた扉の先に見たものとは?

AMI卒業式1
nakazawayuki

「モンテッソーリ教師を目指す前の私は、『保育士に向いていないかも・・』と悩み、大学で学んだ保育士という進路に不安を感じる日々でした。」

そんな想いを打ち明けてくれたのは、(AMI)東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンターの卒業生で、現在モンテッソーリ教育を軸とする保育園で担任を勤める「いちご先生」。

気品とユーモアのある笑顔の裏では、人知れず悩んだ時期があったそうです。

進路に不安を感じた大学時代からモンテッソーリ教師になり、どのように人生が変わったのか。そしてこれから教師を目指す方へ心強いメッセージを綴っていただきました。

人生を変えた、モンテッソーリ教育との出会い

私のモンテッソーリ教育との出会いは大学2年の頃でした。
大学で保育士になるための勉強をしていた私は、公立や私立の様々な園で実習経験をしましたが、

「もっと一人一人の子どもに寄り添い、自分のペースで活動したい子を、十分に援助できる環境はないのだろうか?」

と、園のカリキュラムに追われて疲れた様子の子どもたちを見て疑問を感じていました。


そのうちに

「私は本当に、保育の道に進みたいのかな?」

「自分には保育士は向いていないかもしれない。」

「進路を間違えたかも・・・・」

と悩むようになりました。


そんなある時、大学の授業でモンテッソーリ教育を知りました。

「子どもが主体となり、一人一人の子どもを尊重する」という考え方を知って
「私が求めていたのはこれだ!」と確信しました。

その後、モンテッソーリ教師の国際資格が取れる学校があると知り、大学卒業後に1年間、(AMI)東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンター(以下:AMI)で学ぶことを決意。

大学の卒業論文にもモンテッソーリ教育を取り上げ、入学を心待ちにしていました。

モンテッソーリ教師への扉

心持ちにしていたAMIへの入学直前、不安が押し寄せました。大学時代の友人はみんな就職していたため、遅れを取っているような気持ちになっていたからです。

本当にこの道を進んで良いのだろうか・・・。
この先にどんな世界が待っているのだろうか・・・。


期待と不安が入り混じる感情で、入学式を迎えました。


いよいよ始まった授業。初めて聴くモンテッソーリ教育の理論。美しく、洗練された提供。
今まで大学で学んできた「保育」の概念との違いに衝撃を受け、とても感動したのを覚えています。

提供の練習や、アルバムをまとめる作業は想像以上に難しく、「進度が思うようにいかないのは自分だけなのでは・・・」と落ち込むこともありました。

しかし、他の学生の方々と打ち解けていくうちに、一見、軽々と課題をこなしているように見えていた人も、皆必死で努力していたということを知り、勇気づけられました。

共に教師を目指す仲間

AMIに入学して一番良かったことは、かけがえのない友人たちと出会えたことです。

入学して驚いたことの一つは、様々な年代の方がいることでした。一人一人に多種多様なバックグラウンドがあり、保育とは全く違う業界から学びにきている人もたくさんいました。

そんな経験豊かな同期とみんなで、切磋琢磨し、実習や課題、毎日の練習、そして運命の試験を乗り越えました。

これは間違いなくAMIで出会えた方々のおかげです。モンテッソーリ教育を学ぶという目的のもと、心が一つになっているのを感じました。
忙しくも、楽しくて充実していた日々は、私にとって宝物のような日々で、みんなには深く感謝しています。

入学前の私は、「保育士という進路を間違えたのではないか・・・」と、焦りや不安を感じて悩んでいましたが、勇気を出してモンテッソーリ教育の扉を開けて本当に良かったと感じています。

AMIトレーナーである三浦勢津子先生がおっしゃったピンチは大きく成長するチャンスという言葉は、私の心にとても深く響きました。今でも悩んだ時には、その言葉とこの時の経験を思い出し、励まされています。

困惑した就職活動

在学中に難しかったのは、提供を覚えたりアルバムを制作することだけではありません。
私の大きな悩みとなったのは、就職活動です。

就職活動の時期になると、自分がどのような園で働きたいか?自分らしく働ける園はどこなのだろうか?と、とても悩みました。

インターネットのわずかな情報を頼りにするも、モンテッソーリ園の就職情報があまり出てこないことや、モンテッソーリ教育を行なっているといっても様々な園があることなど、どのように判断したら良いのか全くわからず、困惑しました。

また、勉強や練習をしながらの就職活動は想像以上に難しいことでした。先生方に相談しながらも、進路について考えることに疲れていた時期もありました。

この時、モンテッソーリ園で働きたい人と、そのような人材を求めているモンテッソーリ園が出会えるサービスがあったらいいな。と思っていました。

後に、Trecce(当サイト)の事を聞いて、今後私のように悩む人たちの助けになり、同じ目的を持つ教師と園を繋いでくれるだろうと、とても期待しています。

運命の就職

就職活動に悩んでいた頃、AMIの夜間部に通っていた愛知県にあるこども園の園長先生と出会いました。就職先を探しているとお話をしたところ、園の見学をさせていただけることになりました。

今でも忘れられませんが、その園を一目見た時

「私もこの環境の一部になりたい!」

と強く思いました。

美しく魅力的な教室や園庭、教具、そして先生方と子どもたちの楽しそうな関わり合いを見て、心があたたかくなりました。

その後、無事に内定をいただくことができたのは、私にとって本当に幸運な事です。この就職を運命のように感じています。

担任教師となった現在

現在、私は複数の先生方と協力しながら、3〜6歳の幼児クラスの担任をしています。運動会やお遊戯会などの行事もなく、子どもたちの自己選択の時間が1日のほとんどを占めています。
日々の業務の中で、環境を整える大変さを実感したり、つい口を出してしまうなど、反省することもたくさんあります。

しかし最大限サポートをして導いてくれる先輩方や同期の存在が心強く、「また明日も頑張ろう!」と前向きな気 持ちで楽しく働いています。

AMIで学んだ、「目の前の子どもの姿に翻弄されず、本来の子どもの姿(正常化)が現れることを信じること。」を日々実践し、子どもたちから多くのことを気づかされ、私自身も毎日学び続けています。

教師を目指す人へのエール

最後に、これから資格取得やモンテッソーリ園での就職を考えている方、悩んでいる方、迷っている方に向けて、ささやかな エールを送らせていただきます。

私はモンテッソーリ教育に出会って、子どもへの考え方や自分自身の立ち振る舞いが変わりました。

環境から言葉、表情、動きなど様々な印象を吸収して人格形成をする子どもたちの前で、大人としてどう振る舞うべきか?

必死で自分をつくろうとしている子どもたちに、どのような援助をすべきか?

その人がその人らしく伸びていくためには、どのように導いたら良いか?


それらを常に考えながら保育をすることはとても難しいのですが、やりがいもあり、楽しいことです。

モンテッソーリ教師になるということは、未来を担う子どもが自立して、その子らしく幸せに生きていくための大切で重要な生命への援助なのだと感じます。

子どもが活動に夢中になれた瞬間、集中のピンが刺さった瞬間、そして活動をやり終え満足した表情を見た瞬間は、嬉しさが込み上げてきてモンテッソーリ教師になれたことを幸せに感じます

また、私はAMIで学んだ日々を通して自分らしさを見つけることができ、人生や価値観までも変わりました。この先の人生で大きな糧となる、本当に貴重な1年間でした。

大変なこともたくさんあると思いますが、きっとこれから素敵な出会いが待っています。
あなたのモンテッソーリ教師への一歩を、心から応援しています。


最後までお読み頂き、ありがとうございました!

あとがき


今回記事を執筆してくださった「いちご先生」は、私(Trecce(当サイト)代表:中澤)と共に、AMI東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンターを卒業した同期です。

実は、私が「モンテッソーリ教育専門の就職サポートをしたい!」と思ったのは、いちご先生が就職活動に悩んでいたことがきっかけでした。

いちご先生のように、悩んで疲れても、決して理想を諦めずに「探し続ける」「求め続ける」ことで、同じ想いを持った人同士が引き寄せられ、ムーブメントになっていくのだと感じます。それはモンテッソーリ教育に触れる子どもたちにとっても、現場の教師や環境にとっても、とても大切な事なのではないでしょうか。

在学中からとても真面目に練習に取り組み、可愛らしく気品がある一方、彼女の周りはいつも笑顔が溢れとてもユーモアがあるのが印象的です。今、苦戦しながらもその笑顔で日々モンテッソーリ教師として活躍されているのが目に浮かびます。

彼女のように進路に悩んだり、本格的な学びの扉を開けることに躊躇している方にとって、背中を押す記事になったら幸いです。

いちご先生、心より感謝します。ありがとうございます。

ーTrecce 中澤ー


学校情報

(AMI)東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンター


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中澤有希
中澤有希
株式会社Trecce代表
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