モンテッソーリ

感覚の洗練の敏感期とは?水は触っちゃダメ?時期や理由を説明!

nakazawayuki

感覚の洗練の敏感期とは、ものの特性を正確に理解するため五感が敏感になる時期です。

「その時期の子どもは一体どんな様子なの?」
「大人はどのような対応をしたら良いの?」


そんな声にお答えするために、運動の洗練の敏感期についてわかりやすくご説明します。

「敏感期とは何か?」について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

「感覚の洗練の敏感期」とは?

感覚の洗練の敏感期とは、子どもがものの特性を知るために、聴覚・視覚・嗅覚・味覚・触覚を使って、大きさ・重さ・色・形・味・香り・音など、様々な感覚に敏感になる時期のことです。

モンテッソーリ教育の感覚教具は、感覚を使いながら比較したり、並べたり、分類するなどして、具体的に違いを理解することができます。


モンテッソーリ園やお教室に通っていなくても、日常生活の中に水や泡に触れる機会や、公園や散歩道など自然の中にたくさんの感覚体験があります。道端に咲く季節折々の花の香りや、空の色、水たまり、落ち葉の上を歩く音など、子どもはいつも立ち止まり感覚を使って楽しむことに夢中になります。


公園などでも大人はつい、濡れたり汚れたりするのを恐れて「触っちゃだめ!」と言ってしまいますが、本当に触ったらだめなものでしょうか?

一度「だめ」という言葉を飲みこんで、子どもの顔を見てみてください。きっとキラキラした目で夢中になっているはずです。(危険なものや不衛生なものは避けましょう。)


理論的な説明ではなく、感覚を使って実際に具体物を見たり触ったりしながら理解することで、その印象は子どもの中に定着していきます。その印象は、小学校からの学びが抽象化した際に役立ったり、今後の人生において様々な体験をより豊かに感じられる基礎となります。

感覚の洗練の敏感期が現れる時期

0ヶ月〜4歳頃まで続く

感覚の洗練の敏感期は、生後0ヶ月〜4歳ごろまで続く敏感期です。

あらゆる感覚に敏感に反応して興味を持ち、身の回りにあるものを自分で触って体験して、確認したいという意志が強くなります。

たとえば、水の感覚は子どもたちを惹きつけます。水たまりを触ったり、公園の水道、田んぼの水など、家の中でも外でも、水があれば触りたくなります。

大人は、子どもの衣類が濡れるのを恐れてすぐさま止めたくなりますが、この時期にたくさんの感覚を楽しむことは子どもの発達にとって重要な経験です。

敏感期は、その時だけの特別な行動なので、いつか終わると思って可能な限り見守ってあげてください。ただし、水の事故などにつながらないよう、近くで見張るなど危険を回避することは何より重要です。

ピークは3歳頃

ピークは3歳頃。

水や砂などの触覚はもちろん、木の枝を長い順番に並べたり、石を大きい順番に並べたり、「こっちの方が大きい(多い)、小さい(少ない)」と比較するなど、日常生活の中で徐々に感覚が研ぎ澄まされていきます。

子どもの様子は?

敏感期の現れ方には個人差があるので、年齢はあくまでも目安です。それぞれの発達によりその時期だけの特徴を見せてくれます。

0歳〜

母親の香りやいつも使う布団の感覚を覚えて安心しています。
0-3歳頃までは、無意識に身の回りで見たこと、聞いたこと、感じたことの情報を全て取り込んで記憶するため、豊かで楽しい感覚の体験をたくさんするのがおすすめです。

また、幼い子どもは口内の感覚が最も敏感なため、なんでも口に入れて感覚を確かめようとします。そのため危険なものは子どもの手が届く場所に置かないことや、誤飲やヤケドなどにも注意が必要です。

■特徴

・何でも口に入れる。
・お気に入りのブランケットを離さない。
・水道から出る水を掴もうとする。
・水たまりを手で触る。

3歳頃〜

0-3歳前までに、無意識に見たり聞いたり触ったりして取り込んできたたくさんの情報をもとに、3歳以降は自分の意思で動いて、触って、繰り返し活動しながら整理させ、はっきりと認識して自分の中に定着させます。

また、感覚に敏感になっている時はとても集中するのも特徴です。
子どもは自分で物の特性や違いなどに気がつき発見することに喜びを感じるため、大人が先回りして物の特徴を説明したり、集中を邪魔しないように見守ることが大切です。

■特徴

・すべすべ、ふわふわなど心地良いもの(ぬいぐるみなど)を好む。
・どちらが大きいか。長いか。など比較する。
・同じ大きさ、同じ色、など同一性を発見する。

大人が心がける、3つのこと

子どもが自分の五感を使って、全く知らなかった世界を自分の力で知ろうとして探索しているとき、大人が心がける3つのことをご紹介します。

1. 子どもの興味関心を知る
2. 感覚を楽しむものを置く
3. 電子機器は避ける

一つずつ詳しく説明していきます。

1:子どもの興味関心を知る

子どもが今何に興味を持って、どんな時に集中しているのかよく観察してみましょう!

大人が気づかないうちに子どもは感覚を洗練していることが多いです。例えば、水道の水を出して何かやっていると、大人は子どもがいたずらをしていると思ってやめさせてしまうことも。でも水や泡の感覚を味わいたいなら、自分の上履きの洗い方を教えたら夢中になって洗うでしょう。

このように、子どもの興味関心を知ることで、せっかくの感覚体験をなくすことを避けられます。

また、感覚を使って物の特性を理解するのは子ども自身ということを忘れないようにしましょう。たとえば、子どもがパズルをしていると、大人はついつい教えてあげたくなりますがそこはぐっと我慢。子どもがまだ気づいていない発見があったり、間違っていてもそれはいつか自分で気が付く時のお楽しみです。

■ポイント!

・1人静かに何かをしている時などに、そっと観察する。
・すぐに取り上げずに感覚体験をさせてあげる。
・最近繰り返し遊んでいるおもちゃは何か、整理してみる。

2:感覚を楽しむものを置く

いつも過ごす環境の中に、感覚を楽しめるものを置いておきましょう!

クラスの中には感覚教具がありますが、それ以外にも、家の中に花を飾ったり、子どもの目線の高さに美しい絵や写真を飾ったり、図形が感じられるインテリアなどがあると良いですね。

また繰り返しになりますが、思わぬ事故やケガにつながらないように、安全な環境を確保してください。幼い子は何でも口に入れたり、3歳以降の子どもも、自分で触って動かして自分の感覚で確かめたいので、触ったら危険なものはあらかじめ取り除いておきましょう。

■ポイント!

・家庭では「※ひみつ袋」もおすすめ。
・「ざらざらだね」など、感覚を表現する言葉を伝える。
・季節の絵や写真、植物などを飾る。

※ひみつ袋・・・・・巾着袋の中に、何が入っているか触るだけで当てるゲーム。身近にあって子どもが名前を知っている物を7個〜10個程度入れておく。袋の中で触りながら物の名前を言って、取り出す。親子で楽しく遊んでみてください。
例)洗濯バサミ・消しゴム・松ぼっくり・歯ブラシなど。

3:電子機器は避ける

感覚の洗練の敏感期には、なるべく動画やテレビは避けましょう!

「動画も視覚情報なのでは?」と思うかもしれませんが、本物の感覚は現実の世界にしかありません。いくら面白い動画をたくさん見ても、子どもが現実の世界で自立するための効果はないのです。脳が受動的になり思考がストップしている状態なので、感覚が置き去りにされてしまいます。

そのため、強制的に動画を終わらせると脳にストレスがかかり攻撃的になったり無気力になります。つけっぱなしは避けて、現実的な活動へと促しましょう。


お母さんが料理をしている間などに、テレビを見続けてしまうこともあると思います。そんな時は、ぜひ料理の手伝いをお願いしてみてください。子どもは手を動かす現実的なしごとが大好きです。

■ポイント!

・現実的な活動へ促す。
例)発達に合った料理のお手伝いを頼む。=レタスをちぎる・茹で卵の殻をむくなど。
・動画を見る時は時間を制限する。

【まとめ】感覚の洗練の敏感期を楽しもう!

感覚の洗練の敏感期は0歳から4歳頃まで続き、3歳頃にピークを迎えます。

五感から受け取る情報を元に、ものの特性をより正確に理解しようとする時期です。

大人からしたらイタズラをしているように見えることもありますが、何をしているのか?どんな感覚を楽しんでいるのか?よく観察してみてください。家の中、散歩道、いつもの公園など、子どもが興味を示す感覚体験はたくさんあります。

この時期にたくさんの感覚を知ることで、きっと小学校以降の学びに役立ったりこれから先広い世界を知っていくための鍵となるでしょう。この時期に大人が心がけるべき3つのことを意識して、一緒に楽しんでください。


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中澤有希
中澤有希
株式会社Trecce代表
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