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言語の敏感期とは?子どもの言葉が豊かになる3つの要素!

nakazawayuki

言語の敏感期は、6歳以降まで長く続く敏感期です。

「その時期の子どもは一体どんな様子なの?」
「大人はどのような対応をしたら良いの?」


そんな声にお答えするために、言語の敏感期について、わかりやすくご説明します。

「敏感期とは何か?」について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

「言語の敏感期」とは?

言語の敏感期とは、子どもが母語を理解するために周囲の人が話す言葉や、話している時の表情や口の動きなどに敏感になる時期のことです。

小さい子どもに話しかけると、じっと口元を見つめられたり、同じ言葉を繰り返す姿を見たことがありませんか?それも、敏感期による興味の現れの一つです。

世界中の、どんな国や地域で生まれた赤ちゃんも、最初は同じように言語の意味はわかりません。でも、子どもは言語の敏感期により、周囲の人が話す言葉に強い興味を持ち、いつも敏感に聞き分け観察することで、苦労することなく自然と理解し、話せるようになっていきます。

それは、お母さんのお腹の中にいる時から始まっている「言語の敏感期」の力なのです。

言語の敏感期が現れる時期

 

 

胎児期〜6歳過ぎまで続く

言語の敏感期は、胎児期〜6歳以降まで続き、他の敏感期と比べるともっとも長い期間続きます。
徐々に聞くことから、話す、書く、読むことへと敏感性は変化していきます。

お母さんのお腹の中にいる時も、そして生まれた瞬間から周囲の様々な音を聞いていますが、敏感期が反応するのは人の声や話している人の口元や表情です。

周囲の会話や表情から、人間関係などもよく観察しています。

ピークは1歳半頃

言語の敏感期がピークに達するのは1歳半頃です。

この時期には、周囲の大人が話す内容の多くを理解できるようになり、たくさんの言葉のパターンをインプットしています。たくさん話し始める頃には敏感期のピークは終わっている可能性が高く、大人が気づかないうちに子どもは周囲の人の会話をよく見て、聞いて、どんどん吸収しています。

そのため、愛のある暖かい言葉をたくさんかけてあげることや、批判的な発言をしないことなども大切です。


言語の敏感期が6歳以降まで長い期間続くのは、言語は人間が生きる上で非常に重要な学びだということを意味しています。

子どもの様子は?

敏感期の現れ方には個人差があるので、年齢はあくまでも目安です。それぞれの発達によりその時期だけの特徴を見せてくれます。

胎児期

胎児期は、お母さんのお腹の中で聞こえる音に、心地よく安心しています。

生後0ヶ月〜

お母さんが母乳を与えるために、赤ちゃんを腕に抱いた時の距離で、お母さんの顔に焦点が合います。お母さんの優しい言葉を聞いて、赤ちゃんは初めて「お母さんの口から発する音(言葉)には、何か意味があるんだ」ということを感じます。

■特徴

・お母さんの顔を見て笑う。
・口元をじっと見つめる。
・話しかけられるとそちらをみる。
・喃語(まだ言葉ではない音)を発音し始める。

1歳半頃〜

言語の敏感期のピークです。よく使う言葉や会話のパターンを覚えて、自分も話したいと思うようになります。まだ話せなくても、大人の話す多くの言葉を理解しています。

■特徴

・覚えた単語を少しずつ発するようになる。
・話している口元をじっと見つめて、自分も口を動かして真似る。
・大人同士の会話を良く見て、聞いている。

2歳頃〜

話せる単語がどんどん増えて会話もできるようになっていきますが、まだ自分の気持ちを上手く伝えられないことが多い時期です。

■特徴

・自分の言いたいことを理解してもらえないと泣いていじける。(わかりやすい言葉で代弁してあげると落ち着きます。)
・「これなに?」「なんで?」などの質問が増える。
・同じ言葉を繰り返す。
・歌や絵本を暗記して披露してくれる。

3歳頃〜

これまで吸収してきたあらゆる言葉のアウトプットが盛んになり、大人の話し方を真似します。徐々に書くことにも興味が出てきます。

■特徴

・言葉の数が増える。
・文法的な会話ができる様になる。
・目に入るあらゆる文字に反応し、読み方を聞いたり、一つ一つゆっくりと発音する。
・えんぴつを持って、紙に字のような小さな◯をいくつも書く。

5歳頃〜

言語を使って、幅広いコミュニケーションが可能になり、挨拶なども積極的に行います。読みたい、書きたい、という気持ちが積極的に出てきます。

■特徴

・読める文字によく気がつき反応する。
・ゆっくりと絵本を読む。
・くもった鏡や、砂の上などにも文字を書く。
・自分の気持ちを伝えられるようになる。

6歳頃〜

読み書きだけでなく、絵本やお話を聞いて想像力を膨らませたり、相手の気持ちを理解したり想像するようになります。

■特徴

・遊びのルールを決めるなど、高度な会話ができるようになる。
・子ども同士で話し合い、問題解決や仲直りをする。
・相手の気持ちを理解できる(しようとする)ようになる。

大人が心がける、3つのこと

人間の土台となる言語をより豊かなものにするために、この時期に大人が心がけるべき3つの事をご紹介します。

1. 楽しく愛のある言葉
2. 正し言葉と豊富な語彙
3. 真剣に聞く

一つずつ詳しく説明していきます。

1:楽しく愛のある言葉

子どもが、もっと聞きたい!もっと話したい!と思うように、言語を使ってコミュニケーションを楽しみましょう。

いつも注意されたり教え込まれたりすると、耳を塞ぎ、口を閉じたくなりますよね。楽しく愛のある優しい言葉をたくさん伝えることで、積極的に言葉を覚えていきます。

■ポイント!

・絵本や歌で楽しい時間を過ごす。
・伝言ゲーム、私は誰でしょうゲームなど言語を使った遊びをする。
・「ありがとう」「嬉しかったよ」「助かったよ」など感謝の言葉を伝える。

2:正しい言葉と豊富な語彙

大人は「あれ」「それ」と言った言葉を使ってしまいますが、正しい名称や、丁寧な言い方を心がけましょう!

また、ついつい「ブーブでちゅね」など、赤ちゃん言葉を使って話しかけてしまいがちですが、「あかいくるまだね。」のような言い方がおすすめです。

子どもは自分の周囲で話されている言葉をそのまま覚えます。豊富な語彙を使って、会話の内容を豊かにしていきましょう!

■ポイント!

・日常生活で使っている物の名称を教える。
・「花」→「コスモス」など、具体的な名称を伝える。
・「あれ」「それ」などの言い方は避ける。
・子どもの話に質問を加えて、会話を広げる。

3:真剣に聞く

子どもが何か話そうとしている時、大人が先回りして代弁せずに待ってあげましょう!

もしくは、気持ちを言葉でうまく伝えられずに泣いてしまう時は、どんな風に言えば良いのか代弁してあげることも大切です。そうすることで落ち着きを取り戻します。

また、子どもの話に真剣に耳を傾ける姿勢は「あなたの話す事は、私にとって重要なことだよ」「あなたは私とって、大切な存在だよ」という、子どもへの愛のメッセージです。

「人の話を真剣に聞く」という見本にもなります。

ただ、大人が別の人と話している時に子どもが強引に話しかけてきたり、どうしても手が離せない時などは、「今、お父さんとお話しているの。終わったら聞くからね。」などと、きちんと理由を伝えて待ってもらうことも、マナーとして大切です。

■ポイント!

・目を見て話しを聞く。
・言おうとしていることを先回りして言わない。
・うまく言葉にできずに混乱している時はわかりやすい言葉で代弁してあげる。
・聞けない時は、きちんと理由を伝えて待ってもらう。

【まとめ】言語の敏感期を楽しもう!

言語の敏感期は、胎児期から6歳以降まで続き、子どもが母語を理解するために人の話す言葉や表情などに敏感になる時期のことです。

言語は人間特有のとても重要なものですが、子どもはこの敏感期があるおかげで苦労せずに母語を理解して身につけることができます。

大切な言語の敏感期に、大人が心がける3つのことを意識しながら、日常の会話、歌、絵本、言語ゲームなどを通して、楽しく愛のあるコミュニケーションを楽んでください。


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中澤有希
中澤有希
株式会社Trecce代表
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