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社会性の敏感期とは?ぐんぐん高まる自己肯定感!自分からあいさつも!

nakazawayuki

社会性の敏感期とは、あいさつなどの社会的な会話や、習慣、文化などを覚えて、積極的に周囲の人と関わろうとする時期のことです。お友達と協力したり、子ども同士で問題解決ができるようになっていきます。


「その時期の子どもは一体どんな様子なの?」
「大人はどのような対応をしたら良いの?」


そんな声にお答えするために、社会性の敏感期について、わかりやすくご説明します。

「敏感期とは何か?」について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

 

「社会性の敏感期」とは?

社会性の敏感期とは、周囲の人との関わり方や、人間関係、挨拶などの社会的な会話、コミュニティーのルール、習慣、文化などに興味をもち、積極的に周囲の人と関わりその環境に適応しようとする時期のことです。

今まで、周囲の大人や環境を見て、聞いて吸収してきたことを、積極的にアウトプットすることが始まります。

家庭以外での人間関係にも興味を持ち、挨拶を積極的に行ったり、話し方やマナーなどといった「気品と礼儀」を身につけ、その環境の一員になることに喜びを感じます。お友達と協力したり、子ども同士で問題解決ができるようにもなっていきます。

社会性の敏感期が現れる時期

2歳半〜5歳前半頃まで続く

社会性の敏感期は2歳半〜5歳前半頃まで続く敏感期です。

時間やシーンによって変わる挨拶や会話をよく観察しています。例えば「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」、または「いただきます」「ごちそうさま」、「ありがとう」「どういたしまして」「かして」など、どんなシーンでどのように会話をするのか、人と関わる際の言語を覚えます。

また、レストランや公共の場など静かにしなければいけない場所があることや、順番を待たなければいけない事、ゴミをポイ捨てしないことなど、社会のルールや環境に配慮することも徐々に覚えていきます。

ピークは4歳半頃

家族以外の人間関係もよく観察していて、挨拶や礼儀などにも関心が深まります。これまでインプットしてきたことのアウトプットが盛んになり、積極的に周囲と関わりたいと思うようになります。

これまでは、全て自分のために自分の体や手を動かして、自分のやりたいことを一生懸命に活動してきました。

例えば、2歳半の子どもが散歩の時に、花を摘んでしっかり握って持ち帰るのは、単純に「花を摘む」「持ち帰る」という行動を楽しんでいると言えます。

しかし、社会性に目覚めた子どもは、花を摘んで「お母さんに花束を作ってあげよう」「花瓶に活けてクラスに飾ろう」など、誰かのために何かをしようとします。自分がやった事を、誰かに喜んでもらったり、誰かの役に立つことで、コミュニティーの一員であると自覚して、自信を持って社会と関われるようになっていきます。

子どもの様子は?

敏感期の現れ方には個人差があります。どんなことに敏感に反応を見せるのか、子どものよくある様子を例にあげてお伝えします。

2歳頃〜

まだ家族以外の人と関わることに不安を感じますが、周囲の大人や年長児を見て、関わり方などの情報は常に取り込んでいます。


この時期は自分で自分を成長させることに一生懸命な時期なので、「みんなと仲良く」「みんなで一緒に」「みんなに合わせる」ということを強要されると、反発して抵抗したり、泣いて駄々になることもあります。


協調性や社会性は吸収している時期なので、まだ行動に現れなくても心配いりません。

3歳頃〜

これまでにインプットしてきた人間関係や社会的な関わりの第一歩である挨拶など、周囲の人と関わる方法を自分でもやってみるなどして、積極的にアウトプットが始まります。

お友達との関わりが増えていき、その中で徐々に物の貸し借りや順番を待つことなどを学んでいきます。

4歳半〜

これまで以上に周囲の人と積極的に関わるようになります。

積極的に挨拶をしたり、お友達と何かを協力して行うなど、コミュニケーションが豊富になります。自立してできることが増え、人間関係だけでなく掃除や片付けなど環境への配慮も行うようになり、社会と関わる活動が活発になります。自分の役割を持ってコミュニティーの一員になることに喜びを感じます。

5歳〜

自分がコミュニティーの一員であるという自覚がしっかりと芽生え、自分の生きる国や地域の文化・習慣も覚えて社会に馴染んでいきます。

ルールに従うことや、遊び方を自分たちで決めるなど、複数人での関わりも楽しくできるようになったり、自分たちで話し合い、問題解決をしようとする姿も増えていきます。

一般的に、子どもの社会性が見てわかるようになるこの時には、すでに社会性の敏感期のピークは終わっています。

大人が心がける、3つのこと

子どもが社会性を身につけ、自信を持って安心して暮らしていけるように、大人が心がけるべき3つのことをご紹介します。

1. 自分がお手本になる
2. 文化を楽しむ
3. 子ども同士の問題解決を見守る

一つずつ詳しく説明していきます。

1:自分がお手本になる

まずは大人がお手本になりましょう!


挨拶や「ありがとう」「ごめんなさい」などの社会的な会話は、強要して言えたからといってそれは本当の社会性なのでしょうか?自分がその言葉を使うタイミングや意味を理解して、初めて自分の口から言えるようになります。

また、社会の中には様々なルールがあります。目には見えない「ルール」=「約束」を守るお手本になることも重要です。

大人の社会的な関わり方を見て、子どもは自然と吸収してできるようになっていきます。

■ポイント!

・「ありがとうは?」より「お礼を言おうね」など目的を伝える。
・子どもに対しても「ありがとう」などしっかり伝える。
・ルールは一貫して守る。

2:文化を楽しむ

自分の住む国や地域の文化を楽しみましょう!

文化は、自分ひとりのものではなく社会の中に存在するものです。そのため、文化を楽しむことは社会性の発達にもつながります。

特に、季節のお祝い事や行事は子どもにとって印象に残るイベントです。日本には多くの行事があります。お正月のお節料理、ひな祭りの飾りつけ、お盆の時のお線香、花火大会に着た浴衣、十五夜のお団子など、さまざまな印象が大人になっても残っています。その一つ一つが、社会との深く楽しい関わりを経験するきっかけになります。

■ポイント!

・絵本などを使ってその行事の意味を伝える。
・準備から子どもと一緒に楽しむ。
・地域の食材や料理を味わう。

3:子ども同士の問題解決を見守る

子ども同士の社会性を見守りましょう!

何か問題が起こった時、子どもが自分で解決方法を考えたり、子ども同士で話し合って行動できるようになっていきます。
例えば、コップの水をこぼして困っている子どもに、他の子どもが雑巾を持ってきて床を拭くのを手伝ってあげているなど。そんな時、大人は必要のない手助けは避けて見守るようにしましょう。

ただし、すぐに仲介に入った方が良いケースもあります。たとえば、暴力的になっている時や、ガラスが割れるなど危険がある時。または、ルールに反している時や、自分の発達能力以上のことをしようとしている時(飛び降りたり、刃物を使うなど)です。そのような時はすぐさま仲介に入る見極めをする事が重要です。

■ポイント!

・子ども同士で解決できる力を信じる。
・子どもが助けを望む時は入ってあげる。
・仲介するか見極める。

【まとめ】社会性の敏感期を楽しもう!

社会性の敏感期は、2歳半頃から5歳前半頃まで続く敏感期です。

周囲の人との関わり方や、コミュニティーのルールなどに興味をもち、積極的にその環境に適応しようとする時期です。

子どもが社会の一員になることに喜びを感じるこの時期に、周囲の人や環境と関わることは安全で楽しいことだと思えるよう、大人が心がけるべき3つのことを意識しながら見守ってください。


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中澤有希
中澤有希
株式会社Trecce代表
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